分野別の取り組み
障害者の福祉
全国厚生事業団体連絡協議会
「全国厚生事業団体連絡協議会」(以下、厚生協)は、厚生福祉事業の発展を期するため、全国的な組織をもつ厚生事業関係団体の連絡提携を図り、必要に応じた実践活動を行うために、平成13年に設置されました。現在、全国社会福祉協議会(以下、全社協)の組織規程第25条に基づく団体連絡協議会としての位置づけとなっています。
厚生協の組織沿革としては、昭和27年に全社協の厚生委員会に、更生施設、救護施設、宿所提供施設、結核後保護施設、婦人保護施設(婦人更生施設、婦人寮)等(これらの施設種別は一部、当時の名称にて記載)で構成する「更生保護部会」が設置されたことに始まっています。
厚生関係施設4団体により構成
厚生協の構成は、地域社会のセーフティネット機能を有する厚生関係施設の4つの全国団体で編成されています。各団体を構成する施設種別を記すと、以下のとおりです。※( )内はその根拠法
- 全国救護施設協議会
- :救護施設(生活保護法)
- 全国更宿施設連絡協議会
- :更生施設(生活保護法)、宿所提供施設(生活保護法)、宿泊所(第2種事業)、自立支援センター
- 全国身体障害者福祉施設協議会
- :内部障害のある者を中心とした障害者支援施設(旧 身体障害者福祉法における内部障害者更生施設等)
- 全国婦人保護施設等連絡協議会
- :婦人保護施設(売春防止法・配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(DV防止法))、婦人相談所(売春防止法)
地域におけるセーフティネット機能発揮のための研究と関係施設の連携を推進
厚生協を構成する4団体は、それぞれ独自の協議会活動を展開しながら、厚生協において各団体の直面する課題を共有しあい、セーフティネット機能を発揮していくうえで共通する課題について、種別の枠を越えて研究・討議や研修等を行っています。
生活保護受給者数は216万人を超え(平成28年1月現在)、平成23年に過去最高を更新して以降高い数値が続いています。また、平成27年に施行された生活困窮者自立支援法に関し、各自治体において自立相談支援事業をはじめ就労準備支援事業、一時生活支援事業等の取り組みが進んでいます。
そのようななか、厚生協は、生活上の困難を抱え社会的支援が必要な人の自立支援に向けて、その課題を解決するためにさまざまな研究事業等を展開してきました。
近年は、精神障害者、ホームレス状態、アルコール等の依存症者、矯正施設等退所者、DV被害者等への支援のあり方等が共通課題となっており、平成16年には全国救護施設協議会との共管事業の成果として『保護施設等におけるホームレス自立支援事例集』を取りまとめました。
さらに、平成23年度には、施設におけるDV被害者支援の質の向上のため、支援のあり方研究と関係調査等をふまえた暴力被害者支援ツール「あなたの歩み」をとりまとめ、「活用ガイドブック」とともに普及を図りました。
また、平成26年度には厚生協内に「生活困窮者自立支援に向けたネットワーク構築に関する検討特別委員会」を設置し、厚生関係施設が取り組む生活困窮者自立支援に向けた連携のあり方等について具体的な検討をすすめ、今後の取り組み方針につながる提言を研究報告として平成28年3月にまとめました。
なお、平成19年度以降は、厚生関係施設関係者の学びあいの場として「全国厚生事業団体連絡協議会研究会議」と「地域におけるセーフティネット推進セミナー」を隔年で交互に実施しています。
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