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ふれあいネットワーク 社会福祉法人 全国社会福祉協議会

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全国社会福祉協議会 会長メッセージ

『社会福祉を支える皆様へ~令和4(2022)年度のスタートにあたって~』

社会福祉法人 全国社会福祉協議会 会長 清家 篤

日本はこの2年の間、通常とは異なる厳しい状況の中にありました。この2年間、福祉関係者の皆様には、支援を必要とする方がたの命と生活を守るため、献身的ともいえるご尽力をいただきました。このことにあらためて敬意を表し御礼申しあげます。

市区町村や都道府県の社会福祉協議会には、令和2年3月以来、緊急小口資金等の特例貸付に取り組んでいただき、この間の申請受付は約323万件・1兆4千億円に達しています。途切れることのない申請や相談等への対応はさぞ大変であったろうと拝察しますけれども、社協職員としての使命感を持って相談者に向き合い続けていただきました。

福祉施設や居宅サービス事業所で働く皆様は、限られた職員体制、クラスターの発生などに直面しつつも、自らも危険のある状況下で、人びとの命と生活を守るために不可欠なサービスを提供し続けられました。また、人びとの外出機会の減少や地域での諸行事の中止などにより、人と人とのつながりが一層希薄化するなか、さまざまな工夫を凝らしながら見守り活動や訪問活動を続けていただいた民生委員・児童委員の皆様、暮らしの支え合いなどに取り組んでいただいた老人クラブの皆様などには、地域の絆をつなぎとめる重要な役割を果たされました。人が人を支える福祉の取り組みは社会を支えることにほかならず、この間の皆様方のご努力に重ねて御礼を申しあげる次第です。

しかし、そうした皆様の努力により多くの方がたが救われる一方で、この間には、孤独や孤立、ひきこもり、虐待、貧困をはじめ、これまで見えづらかったさまざまな課題も顕在化するところとなりました。こうした多様な課題に直面している人びとをいかに早期に把握し、適切な支援につなげていけるのかは大きな課題であり、福祉関係者に期待される役割も一層大きなものとなっております。

4月を迎え、新たな年度が始まりましたが、本年度、社会福祉の分野においては、さまざまな制度改正の動きが予定されています。現在、国会には児童福祉法改正法案とともに子ども家庭福祉施策の司令塔機能を担うとされる「こども家庭庁」設置法案が提出されています。また、地域における相談支援に重要な役割を果たす生活困窮者自立支援制度や生活保護制度の見直し検討も進められています。

さらに、介護や保育をはじめ、福祉人材の確保・定着については依然厳しい状況であります。昨年度においても一定の処遇改善が図られましたが、他の産業との賃金格差は解消されるには至っていません。人びとの命や生活を守る「エッセンシャルワーク」たる福祉の仕事への適切な評価を実現し、その重責を担う皆様が働きやすく、働き続けられる環境整備を進めていくことも重要なテーマであると考えております。

以上のような政策課題に対し、福祉の現場において実践を担う皆様方の声を集め、発信し、政策要望等も行ってまいります。引き続きさまざまに御教示下さい。

また近年相ついで発生した大規模自然災害では、今も各地で多くの被災者がその生活再建に向けた努力を続けておられます。そうした被災者に寄り添い、その生活再建を支えていくために取り組みを続けておられる皆様への支援も重要と考えております。次なる災害に備えた体制整備を含め、災害福祉支援活動の充実に向けた取り組みを進めてまいります。

私ども全国社会福祉協議会は、今後の社会福祉関係者共通の取り組みの基本的考え方を「全社協福祉ビジョン2020」としてまとめています。この「ビジョン」のめざすものは「豊かな地域社会の実現」であり、その実現のためには、全国の社会福祉協議会、民生委員・児童委員、社会福祉法人・福祉施設、老人クラブ、共同募金会、ボランティアやNPOをはじめ、幅広い関係者のこれまで以上の連携・協働も不可欠となっています。

本会は本年度においても、全国の皆様と手を携え、誰もが安心して笑顔で暮らすことのできる「豊かな福祉社会」の実現に向けて取り組んでまいります。皆様には、本年度も変わらぬご支援ご協力を賜りますようお願い申しあげ、新年度にあたってのご挨拶とさせていただきます。

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