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社会福祉法人制度改革への対応

社会福祉法人は、地域社会において制度の狭間となっている福祉ニーズ・生活問題に、組織本来の使命として主体的に取り組むことが必要です。多くの社会福祉法人が取り組んでいる地域での公益的活動は、新たな福祉ニーズの発見・支援につながっています。



社会福祉法改正と社会福祉法人の使命、存在意義
全国社会福祉法人経営者協議会 会長 磯 彰格

社会福祉法人は、社会の「動脈」として地域社会を発展させる役割を率先して果たしていきます。

今般の社会福祉法の改正法案は、「経営組織のガバナンスの強化」、「事業運営の透明性の向上」、「財務規律の強化」、「地域における公益的な取組」をポイントに制度の見直しがおこなわれました。

この背景には、2000年の基礎構造改革以降、社会福祉制度全体が、国民すべての社会的な自立支援をめざすものへと改められたにも関わらず、社会の公器である社会福祉法人の経営の実態が利用者に積極的に公開されてこなかったり、経営組織のガバナンスや財務規律が十分に確立されてこなかったこと等が一因として考えられます。

もともと我が国の社会福祉制度は、その多くが社会事業家とよばれる社会福祉法人の先達の優れた実践の中から理論や技術が形成され、やがて制度に発展したものです。このような社会福祉法人を社会福祉法人たらしめる取り組みは、今なお全国の社会福祉法人が経営する福祉施設等の現場において、さまざまなかたちで行われているものです。


自主的・自律的な法人運営を

これらは、社会福祉法人が優れた公益性と非営利性を発揮し、地域で期待される役割を十分に果たすことにより実現されているものであり、特定の社会福祉事業の領域に留まることなく、あらゆる福祉ニーズに総合的かつ専門的に即応することが可能な社会福祉法人としての特性を最大限活用した、自主的かつ自律的な法人経営を土台としたものです。

もちろん、今般の社会福祉法の改正に至る議論のなかでも、社会福祉法人が社会福祉事業を安定的かつ質の高いサービスとして発展させていく中で果たした役割についても極めて高い評価がされております。しかし、表裏の関係として、法人理念の実現等において、しばしば現場の取り組みに制約が生じ、結果として社会福祉法人の存在意義が社会に伝わりにくくなってしまったという事実も見過ごすことはできません。


極めて高い公益性・非営利性の位置づけ

さらに、極めて高い公益性と非営利性をもとに公的な制度の運営に取り組んできた社会福祉法人制度が、2008年に行われた公益法人制度改革以降、他の公益法人との関係性において社会福祉法人の公益性や非営利性等に優位性がみられなくなったこと、ごく一部の心ない社会福祉法人による不適正な経営をとらえて、社会福祉法人全体の公益性・非営利性等を疑問視させるような、不適当な報道が繰り返されたことなどにより、社会福祉法人に対する厳しい指摘がなされたり、いわゆるイコールフッティング論等の社会福祉法人制度の本質とは異なる議論にさらされるところとなりました。

次期国会で継続審議される社会福祉法の改正法案においては、さきの公益法人改革も意識したうえで、あらためて我われ社会福祉法人が公益法人の中でも極めて高い公益性と非営利性を担保するものとして位置づけられ、もって社会福祉法人が社会福祉事業を行う法人の中でも主たる位置付けを確保し、社会福祉法人に対する課税論についても議論を終結させるものとして理解しております。


我われの存在意義を発する

我われは、今般の社会福祉法人制度の見直しを前向きにとらえ、活かしていくことで、我われの存在意義をより強く、社会に対して示していける好機であると捉え、社会福祉法人の非営利性・公益性にふさわしい経営組織の構築、組織・事業の透明性向上、地域における公益的な取組、質の高い人材の確保・育成に一層積極的に取り組みます。

そして、社会福祉の主たる担い手として、国民から負託された社会福祉事業の更なる質の高い経営と、複雑多様化する社会問題等を背景に、制度の狭間にある方がたに対する積極的な取り組みにより、社会の「動脈」として地域社会を発展させる役割を率先して果たしていきます。

(2015/11/30)


施設機能を活かした就労支援(社会福祉法人 八尾隣保館【大阪府】)

就労支援をはじめたきっかけ

5年前、特別養護老人ホームの介護職の非専門的業務を見直したことがきっかけでした。業務の一覧を時系列に並べ分解し、シーツ交換と居室清掃を週4回、午前中2時間の業務と設定しました。早速、求人広告を出したところ地域の方の応募とともに本法人の母子生活支援施設からの相談がありました。精神障害があり人間関係が構築できず転職を繰り返している母親でした。


「ルームキーパー」を皆で支える

この業務を「ルームキーパー」と名付け、揃いのエプロン、掃除道具カート、名札を用意し、仕事に対する誇りを持てる工夫をしました。また業務が短時間でもあり時給を若干高く設定し、地域の方と障害のある方とペアで業務をすることにしました。

介護主任、部屋担当の職員は感謝の言葉をかけること、評価をすること、生活相談員は彼女たちの退社時に声をかけ、不安や疑問を聞いたり、内容によっては現場職員に連絡することを心掛けました。


人に認められること、役に立っていることの経験

母親は、最初、終始険しい表情で業務に取り組み、時間内に終えることができませんでしたが、日増しに時間内で丁寧な業務を行えるようになりました。特に入居者の方がたから「綺麗にしてくれてありがとう」「あなたたちが掃除した後は気持ちがいいわ」という言葉に自信をつけたようです。人に認められること、役に立っているという経験から、穏やかな顔とともに、会話も多くなっていきました。

施設には業務分解により提供できる仕事があることと、支援する人材が現場にいます。また、支援対象の方は施設利用者と職員の豊かな人間関係のなかで、人との関係づくりを再構築できます。そして、支援する職員はさまざまな環境を経た人たちを理解し支援のスキルを向上させることにつながりました。

今後の課題は本法人での就労支援終了後、一般就労した先でのアフターフォローが難しいことです。


・相談支援件数等(過去5 年の実績)




ルームキーパーの働き

(2015/11/30)


すべての住民を対象にした生活相談事業(社会福祉法人 村山苑【東京都】)

生活相談をはじめたきっかけ

村山苑の拠点地域は、公営住宅や古い住宅地が多く、高齢化が進み、地域の力(共助)が弱くなってきています。63年間この地域に根ざしてきた社会福祉法人として、できることを模索した結果、大阪府社会福祉協議会が行う社会貢献事業を知り、それをもとに、この取り組みを行うことにしました。


法人本部で相談体制

相談内容は多岐にわたります。法人が運営する保育(0歳~)・障害・高齢の各施設のソフトとハードを活用し、対応の幅を広げています。一方、相談所の運営は、法人本部が直接行っています。施設から独立させることで、既存の制度による制限を受けず、また、各施設との連携をスムーズに行うためです。


ひきこもり問題の重篤化への取り組み

相談件数は平成25年12月から22カ月で57件。内訳は経済的困窮がほぼ5割で障害関連が3割、ひきこもり・高齢・家族がそれぞれ1割、重複するものが3割あります。支援期間は1件につき平均28.3日、支援回数7.0回で、きめ細かな対応をするためには、この量の支援は必要と考えています。

この事業から見えてきたことは、ひきこもりが予想以上に多く、その対応が困難なことです。つなげる支援先が少ないうえに、適応条件や費用などのハードルが高く、ほとんどが既存のサービスにつながりません。また、この問題は将来に向けても大きな陰を落としています。潜在的な数が大きく、高齢の親によって抱え込まれていることが多いため、2025年問題とリンクして爆発的にひきこもりが表出する可能性が高いことが予想されます。

ひきこもり問題の重篤化を防ぐために、どのような対応が必要か、新たなサービスの構築も視野に入れた検討が必要であると考えています。


(2015/11/30)


社会福祉法人による地域のひとり親支援の取り組み
(社会福祉法人 新宿区社会福祉事業団 新宿区立かしわヴィレッジ【東京都】)

「チャーハンの会」をはじめたきっかけ

「家での夕食の記憶は恐怖でしかなかった」「夕食はいつもひとりで食べていた」という子どもたちがいます。母子生活支援施設「かしわヴィレッジ」では、思春期の子どもたちを対象に「チャーハンの会」を実施しています。行き場のない子どもの居場所づくりを目的に、特別なことは何もしない、ただ同じ場所で同じ釜のご飯をみんなで食べるという会ですが、毎回10名以上の中高校生が参加しています。

また、かしわヴィレッジでは、無料の施設内学習塾(かしわ塾)を実施しています。地域の子どもたちも含め、現在25名の子どもたちが登録しており、高校受験や大学進学への支援、さらには不登校やひきこもり状態の子どもたちのための支援、外国籍等の子どもたちへの日本語教室やママ塾も実施しています。


地域のなかで、時間をかけて支援する

時速300キロの車窓からでは見えない風景があります。「チャーハンの会」や「かしわ塾」は、時間をかけることで見えてきた風景を「なんとかしなければ」との思いで始めたものです。地域の中で、時間をかけることで見えてきた風景を支援者と共に時間をかけて塗りかえていく、それは、長い間社会福祉法人が大切にしてきたものではないでしょうか。


出会いから立ちあがる

「ボランティアのAさんに出会っていなかったら今の僕はなかった」かしわ塾とチャーハンの会に参加している子どもたちの声です。平成25年度かしわ塾参加者1,602名、大学合格者3名・高校合格者8名。チャーハンの会の出席者のうち4名が不登校・ひきこもり状態から卒業することができました。

今後とも、出会いを大切に支え合いを拡げてまいります。



施設内学習塾「かしわ塾」

(2015/11/30)



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